forest 内省について

■毎日いろいろ考えているようで実はあまり何も考えていない

 人は1日に約7万回思考しています。しかしながら95%は前の人同じことを繰り返しているだけです。

 つまり、多くの方が毎日を自動運転状態で過ごしているということになります。

 簡単なものでいうと歯を磨くことやシャワーを浴びること、自転車に乗ることなどがあるかと思います。少し複雑なものですと仕事の進め方や人間関係などがあります。いつも同じ考え方をし、同じような人とだけ付き合う毎日。

■今までの人生を通じて構築したパターンを繰り返している

 この自動運転のパターンは今まで生きてきた中で起こった出来事、浮かんだ思考、感じた感情、といった反応・行動の蓄積です。例えば身近なもので、

 待ち合わせに遅れた(出来事)

 失礼な人だ(思考)

 怒り(感情)

 責める(反応・行動)

 こういったものを子供の頃からさまざま領域において無数に蓄積していき自動運転をつくりあげていきます。

 また、このパターンの中には、何度も何度も繰り返し発動したことで、その人の考え方や信条・人格へと昇華されているものもあるでしょう。こうあるべきだと強く考えがちな人はこの典型かもしれません。

■30〜35歳を境に多くの場合パターンが飽和してくる。

 多くの場合、幼少期から20代〜30代前半の間はさまざまな環境の変化がたびたび起こる可能性があります。学校に入る、クラスや部活が変わる、親元を離れる、起業や就職、転職や異動・昇進、結婚など人生における新しい体験が起こりパターンを構築する機会が多数発生します。

 しかしながら多くの場合30〜35歳あたりを境に、構築してきたパターンが飽和します。抱えているパターンで生活の全てを賄えるくらいの数になっています。また同時に、社会的な役割が増加することにより”○○すべき””こうあるべき”といったものも増加していきます。その結果として十分すぎるほどのパターンが蓄積され、いよいよ磐石な自動運転を繰り返していくことになっていきます。

■不本意なことや不快な出来事もいつからか諦めてしまっている。

 自動運転が悪いということではありません。

 心地の良い状態や楽しいことを繰り返していくことはとても素晴らしいことだと思います。

 しかしながら不本意な自動運転を繰り返した結果、以下のような状態が起こっています。

  1:自分自身が不快な気持ちになっていることに気がつけない

  2:本来取りたくないと思っている行動をとってしまっている

  3:時代や環境のせい、あるいは仕方がないものとして諦めている

  4:何が正解か、どうしたらいいかわからず目を背けている

  5:慢性的な身体の不調が出ている

■内省とはこういった自動運転を見直していく行為です。

 内省とは、日常の出来事から自分自身の無自覚なパターンを認知し、紐解いていくプロセスです。

 自分が感じている不本意な思考や感情、とってしまっている行動は果たしてなぜ起こっているのだろうか?

 どうすることで自分にとって心地の良いものに変えていかれるのか?

 それを探求していきます。

たとえば

 1:何が起こっているのか?(事実認識の確認・整理)

 2:どういったパターンが発生しているのか?(パターンの認知)

 3:なにが原因なのか?(因果関係の理解)

 4:どうすれば解除することができるのか?(ニーズを知る)

■内省のプロセスを経るとどうなるのか?

 私自身が内省を続けてもっとも強く感じている変化は自由に動けるようになったことです。

 それまでの私は、さまざまなパターンを抱えており、まるでフランケンシュタインのように全身ネジが刺さっているようでした。

 やりたいことにトライできなかったり、怒りたくないのに怒っていたりしていました。

 また、それを改善するために自分を無理に変えようとして衝動買いや爆食いなどを繰り返していました。

 いまでも全てのネジがなくなったわけではないですが、確実に以前よりは確実に減っており自分が望む形で自分らしく過ごせるようになってきました。

■内省は頭だけでするものではない。

 

 ここまでの話で、内省は機械的なプロセスにのっとり頭を使って行なっていくものという印象を受けたかもしれないです。しかしながら、全くそうではないです。むしろ全く逆の行為になります。内省で大事なってくるポイントの一部が下記になります。

 ・自分はどう感じているのかを感じる感受性

 ・異なった考え方や解釈を受け入れる柔軟性

 ・正直に打ち明ける開放性

 ・自分の痛みや不安・恐怖を受け入れる少しの勇気

 これは脳の中でも理性を司る左脳というより、感覚などを司る右脳、そして頭というよりは身体で感じるものです。もちろんプロセスを進めていく上で、左脳的に整理することもありますがキーとなるのは間違いなく感覚や感性になります。ロジックで考えるというより感覚や気持ちで感じていくものに近いかと思います。

 

■内省は今日からすぐにできる 

 内省は何歳でもいつからでもできます。

 下記の簡単な質問に答えて今日から始めてみてください。

  ・今日はどんな1日でしたか?

  ・なにがありましたか?

  ・それについてどう思いましたか?

  ・どういった感情が湧き上がりましたか?

  今日起こったことは今日のうちに!

 ぜひ内省を通じて本来の自分らしさを取り戻して心地のよい楽しい人生を生きてください!

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